暇な医者の戯言

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医学部と東大、どっちに行くべき?医学生が真面目に考えた

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こんにちは。めろん(@gatigatitv)です。

 

今回は、受験生が悩むことの多い選択、医学部と東大どっちに行くべきか?ということを医学生目線で真面目に考察しました。

 

こういった記事は大体、ポジショントーク(自分の立場を良いように言う)ことが多いのですが、公平に見ることに徹しました。

 

以下医学部と東大のメリット、デメリットと共に考えていきます。

 

 

↓自分が医者を目指した理由はこちら 

www.himadr.com

 

医学部

メリット

安定した収入

学生生活が6年間

地元でいける

転職できる

 

医学部のメリットは、医師免許という国家資格の下にとにかく安定することです。

安定するだけでなく、高収入なのが医師のメリット。

レールに乗った人生を嫌う人も多いですが、レールに乗った人生が楽なのもまた事実です。

これらを求めてか東大出身者も医学部に再受験するケースがあります。

 

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大学生活は人生の最期の夏休みとも言える期間です。

その大学生活が6年間あることは、モラトリアム期間として非常にいいと思います。

旅行に行ったり、教養をつけたり様々なことをできます。

※モラトリアム:社会人と学生の間の期間

 

'マイルドヤンキー'という言葉が話題になりましたが、わざわざ東京に行かなくても地元で十分だと言う人は多いと思います。

地方の方なら東京に進学しなけらばならない東大とは異なり、慣れ親しんだ地元で過ごせます。

地方の場合、医師だとヒエラルキー上位に入れる場合も多く、過ごしやすいと言えます。

※マイルドヤンキー:地元から出ずに、中高時代の友達と狭いコミュニティで過ごす人々

 

転職できるのも医師のメリットの1つ。

転職して収入が落ちる他職種とは異なり、転職しても収入が落ちることは少ないです。

というか、医師の場合は場末の楽な所に行けば行くほど給料が上がったりします。

職場のストレスは生きていく上での大きな悩みになりやすいので、職場を変えれる余裕があるのは非常に大きいです。

デメリット

医師以外を選べない

医学がつまらないと地獄

大学生活がつまらない

医者のリスク 

 

メリットとデメリットは表裏一体で、医師以外を選べないのが医学部の辛さです。

医系技官(医師免許をもった官僚)や、製薬会社など医師として働く以外の働き方もあることにはあるのですが、働き口が非常に少ないです。

結局医療とは切っても切れない人生を送ることになると思います。

 

また、進級に苦しむのも医学部の特徴。

 

進級が厳しい医学部を選べば、それこそ受験時代以上の勉強量を求められます。

医学に興味が無いと、さらに地獄を味わうことになります。

↓医学部の勉強量が分かるツイート

 

進級が楽な医学部に関しては以下の記事を参照してください。

www.himadr.com

 

 

確かに学生生活は6年間あります。

が、多くの医学部は立地が悪く、6年間の学生生活が浪費されることになる場合も多いです。

 

さらに同学年が100人程度しかいない村社会のような学生生活を送るので合わない人は物凄く合わないと思います。

Twitterで「医学部 息苦しい」「医学部 つまらない」などと検索すれば医学生の嘆きが山ほど出てきます。

 

職業としての医者のリスクも増えてきています。

人口減少が始まっているのに、医学部の定員は増やされる一方です。

さらに高齢者の数が減っていけば、医者余りになることは自明です。

 

最近ではモンスターペイシェントと言われる、医者に暴言暴力を振るう患者さんも増えてきています。

そういったことに耐えられない人も出てくると可能性もあります。

更に訴訟リスクも増大し、外科や産婦人科、小児科は志望者も減っています。

 

 

↓医者のデメリットについて詳しく書いた記事はこちら

www.himadr.com

 

東京大学

メリット

学生生活が東京で送れる

ネームバリュー

自分の好きなことが学べる

多様な人と触れ合える

 

東大のメリットは東京にあること」という人もいるくらい、東大の立地はいいです。

自由な学生時代に、東京で4年間過ごすことは価値観や人脈の形成の上で重要であることは言うまでもありません。

 

さらにネームバリューを生かすこともできます。

「東大王」はありますが、「医学部王」はありません。そもそも医学部が難しいと知らない人も多いです。

東大生というだけで、一目置かれその恩恵は一生続きます。

本を出版する時も、'東大生'、'東大卒'というワードがあるだけで有利です。

 

自分が好きなことを学べるのも東大の特徴です。

確かに進振り対策で高得点が取れる科目を取らざるを得ない面もあるかとは思います。

しかし進振りで好きな学部に行けるのは大きいです。

※進振り:大学入学後の成績で、行きたい学部を選べる東大独自の制度

 

好きなことを学べるだけでなく、好きな業種に就職できるのも東大のメリット。

東大のネームバリューがあれば、就活に置いてもそこまで苦労することはないと思います。

官僚、マスコミ、商社、インフラなど、自分の好きな所に行くことが出来ます。

 

また筑駒、開成、灘といった超進学校から、地方の中堅校出身者まで幅広くいるのが東大の凄さの1つです。

多様性のある幅広い人種と交流することで、様々なアイデアや知見が広がることは間違いありません。

テニスサークルで女子大生とたわむれるのもよし、研究に没頭するのもよし、徹夜で麻雀するのもよし。

学生生活も多様性が認められています。

↓東大の華やかなテニスサークル

 

 

デメリット

進振りによる勉強

就活失敗リスク

官僚のメリットの低下

 

こちらもメリットとデメリットが表裏一体になっています。

 

進振りから好きな学部に進める、と書きましたが、進振りがあるということは大学に入っても勉強しなければならないということ。

文一から法学部、理三から医学部といったように、入った科類と進学したい学部が一致してればある程度は楽です。

しかし科類と異なる上位学部に進振りで行くのは至難の業。

学生生活を相当削らないと難しい面もあります。

進振り後もやっぱり勉強。

競争は熾烈を極め、法学部生はシケプリの枚数を他学部生に自慢することによって辛うじて自我を保っている。

東大法学部 - 進振り底点推移 - 東大進振り情報サイト UTaisaku-Web

 

これは東大と言わず、就活しなければならない大学なら全てに言えることですが就活失敗リスクがあります。

特に東大生は官僚や大企業に入らなければいけないというプレッシャーがあるので、それらに入れないと辛い。

ベンチャーなどに就職し、その後倒産。うだつの上がらない日々を送っている高学歴は山ほどいます。

 

東大は官僚の育成学校というイメージがありますが、最近では官僚の地位が下がってきています。

天下りが規制され、更に財務省トップの事務次官ですらマスコミに叩かれ失職。

政治家の尻拭い感が否めず、官僚志望者も減っています。

まとめ

まとめると以下のようになります。

医学部に行くべき人

・挑戦より安定を求める人

・そこそこの人生を送れればいい人

・地方出身の人

 

東京大学に行くべき人

・安定より挑戦を求める人

・自分の人生を自分で決めたい人

・関東出身(特に東京通勤圏)の人

 

 

医学部と東大は、ある意味で共産主義と資本主義の違いと言えます。

医学部はどの大学を出ても、どんなに成績がよくても横並びで収入にそこまで差は出ません。

一方で東大は、努力しなかったらどこまでも落ちていきますが、外資や企業などに成功すればそれこそ青天井です。

 

どちらを選ぶかは個人の価値観によりますが、この記事が参考になれば幸いです。