暇な医者の戯言

医者が、医学部事情から男女関係まで様々なテーマについて語るブログ Twitterフォロワー10000人突破

医者のデメリット

 以前の記事で、医者を目指した理由として医者であることのメリットを書いたが、デメリットも書いてこそ公平だと思うのでデメリットも書くことにする。

自分が感じる医者のデメリットは以下の3つである。

1医者にしかなれない

2共産主義社会である

3学生生活がつまらない

 

1.医者にしかなれない

良くも悪くも、医学部を卒業したら医者にしかなれない。

厚生労働省に医系技官として入省したり、製薬会社に入社したり、医者以外として働く方法はないことはないが非常に限定的で、どちらにせよ医療に結びついてしまう。

最低でも6年間の大学生活に加え、浪人留年によってはそれ以上の期間になりうる。

すなわち卒業時に最低でも24才であり、新卒採用、年功序列の日本社会では医学部卒は特殊な理由がない限り歓迎されないと思っていいだろう。

TBSに入社した医学部卒の人がいたが、それは医療系ドラマ制作担当としてコネ等を期待されてのことだと考えられる。

その為、医療がどうしても肌に合わないといった人はそれまでの全てをかなぐり捨てて他の職業につくことになる。

それは他学部で一般的な就活をした場合に比べてコストが高くリターンが少ないという最悪の結果になってしまう。

今後AIの発展するにつれ、医者の優位性は衰えていくと思う。医者が他職業に比べて優位なのは医師免許によって保護されているという制度的なものだからだ。

また医者はBtoCの職業であって、あらゆる層の患者と接することになる。

DQNな患者も来るだろうし、患者にセクハラ、暴力、暴言を振るわれることも珍しくはない。

高学歴のブルーワーカーといった表現が適切で、そこに挫折する人もいるだろう。精神科医は自分自身が病んでしまう場合も多いと聞く。

改善されてきたとは言え、未だにブラックな勤務体系が横行しているのも確かであるので、研修医の自殺など悲惨な事例が後を絶たない。

様々なトラブル、ストレスを抱えやすい職場であることは確かなのだ。

 

2共産主義社会である

とどのつまり、医者は厚生労働省の手のひらの上にいる孫悟空のようなもので、保険診療をやっている限りその手からは逃れられない。

全国一律で診療報酬は決まっているので、名医もヤブ医者も同額の報酬しかもらえないのである。

これは、上昇志向を持っている人にとって、大きなデメリットとなる。

毎日勉強して医療技術の向上に努めている医者とやる気がない勉強もしないような医者と全く同じ給料という自体が起こる。自分が努力しても診療報酬は変わらないからだ。

 共産主義社会のため、東京志向の人にとってはつらいものがある。

東京でもド田舎でも診療報酬が変わらず、東京=高給という一般職での図式が成立しないからだ。

そのため物価や家賃の安い田舎で医者をする方が経済的には豊かな生活が送れる一方で、東京では薄給で出費も多くあまり裕福とはいえない生活になってしまう。

全国の医学生が東京を目指すので研修医の給料も東京は格安であり、買い叩かれているというのが現状だ。

3学生生活がつまらない

誇張でも何でもなく、学生生活は他学部に比べて面白くない。

閉鎖的な空間に加えて、フルコマ+実習という文系大学生からしたら地獄とも思えるようなカリキュラムが組まれている。

出席の縛りも座学で1/2~2/3であったり、実習は一回も休めない場合もある。

仮進級等がある大学を除いて、1科目でも落とすと即座に留年が決まる。その1科目も基礎医学の場合は文系大学生の4年間の総勉強量と等しいくらいの労力がいる場合も少なくない。

また多く医大は陸の孤島のような場所に作られており、同世代の若者が少ない。

魅力的な異性も少なく、学内で少数の異性を相手に穴兄弟棒姉妹が大量に発生するという悲惨さだ。

インカレサークルなども少なく、新たな出会いを求めるのは難しい場合が多い。

更に言うと、大半の医学生は部活に入ることになり学生生活の大半をそこに費やす。大学や個々の部にもよるが、一般的に上下関係は厳しく休むこともままならない場合も多い。

講義+部活で一日の大部分を同級生や先輩後輩と過ごすことになり、プライベートは激減し息苦しくなってしまう。

このように立地+進級+部活の3要素によって大学生活がつまらなくなるのである。しかし以前記事に書いた通り、前者2つは大学選びの際に改善できる。そのため大学選びが非常に重要なのである。

 

睡眠時間を削らず塾にも行かず現役で国立医学部に合格した私の勉強法

睡眠時間を削らず塾にも行かず現役で国立医学部に合格した私の勉強法

 
医者ムラの真実 (ディスカヴァー携書)

医者ムラの真実 (ディスカヴァー携書)