最初の記事ということで、医者を目指した理由を書くことにする。
他の学部と違い、医学部の場合は医学部に入る=医者になるという式が成り立つ。法学部に入る=法曹になるという式は成り立たないのとは対照的だ。
すなわち大学入学時に人生がほぼ決まってしまうということである。俺の場合はその事をはっきりと自覚して、自らの意志で医学部を選んだ。
理由は以下の3つである。
1.資格に保護された職業である
2.給与が高い
3.信用がある
人を救いたいという理由もあるが、トップ3には入らなかった。俺も一般人、自分が生きるので精一杯だ。
1.資格に保護された職業である
資格に保護されていることから安定と自由が得られる。順に説明しよう。
医師免許は厚生労働省によって医師国家試験合格者にしか交付されず、その医師国家試験も医学部卒業者しか受験できないという圧倒的な規制によって新規参入と競争原理を妨げている。
資格に保護された職業であることから、個人が価値を持つのである。
例えば電通の社員が三菱商事に転職したら、0からスタートしなければならないが医者が病院を変えても知識や経験はそのまま役に立つので即戦力として働けることができる。
そのため、医者は転職し放題なのである。ブラック病院、パワハラ上司、家庭環境の変化など様々な理由で自分の職場を自由に変えることができる。
一方で会社員は、同じ会社に一生奉公しなければならない。転職をしても、会社員は今より良い会社に入れる可能性は限りなく低く、再就職先があるとは限らない。更には退職金も激減する。場末に行くと給料が増える医者とは対照的だ。
また、医者は犯罪をしてもよほどのことがないと一発で医師免許を剥奪されることはない。サラリーマンが逮捕されたらその時点で人生詰むのとは大違いだ。
このように個人が資格に保護されており、競争原理に晒されないことから絶対的に安定しているのである。
また資格によって個人が価値を持つことから、職場を自由に選べる。
職場を自由に選べるというのは非常に強力なポイントであり、
満員電車が嫌←田舎の病院
都会がいい←都心の病院
がっつり稼ぎたい←美容外科等
名誉が欲しい←教授を目指す
といったように自分のニーズに合わせて職場を変えることが可能なのである。
さらに医者は病院の選択による職場環境を自らの意志で選べる点に加えて、診療科を変えることによっても労働環境を大幅に変えられるということがある。
仕事中心の生活をしたかったら救急科や外科を選択すればいいし、自分のプライベートを中心にしたいなら皮膚科や眼科といった休暇の取れる科を選択すればいい。
病院選択の自由と診療科選択の自由によって、医者は働き方や人生設計を自らの意思で決めることができるのである。
余談ではあるが、6年間の勉強が将来の仕事に直結しているというのも魅力的だ。多くの学部が卒業後、その学部と関係のない仕事をすることを思うと役に立つ勉強ができるのは幸せだと思う。
2.給与について
「金が全てじゃないが、全てに金が必要だ」
これは俺の好きな漫画に出てくる名言で、実際に真理だと思う。
受験生時代に医者の求人サイトを見て、バイトで1日10万もらえるのか!と安直に目指した記憶がある。
俺はマグル(両親が非医者)なので、実際の医者の給料はネットや雑誌でしか知らなかったのだが、医学部に入って驚愕した。
親の年収が最高で3億超えの猛者もいたし、開業医の子供は一人暮らしで3LDK、4LDK当たり前。そこらの医者でも講演で20万はもらえるらしい。
どうりで医者は自分の子供を医者にしたがるわけだと納得した。
普段の病院からの給与の他にもバイトで数百万をもらえるらしい。副業禁止のサラリーマンとは大違いだ。
3.信用について
信用というのは何事にも代えがたい。銀行から信用されるから簡単にローンも降りるし、結婚相手の家族にも医者といって信用されないことはないだろう。
俺は全ての信用を失った時期があったし、家族が信用を失う時期も見てきたから信用されることの重要性を理解しているつもりだ。
1の資格の件とも関わるが、医師免許を取得すれば一生医師。
同じく給料の良い外資系の会社員との違いはここで、資格に保護されていることから銀行のローン年数でも圧倒的な差が生まれる。
医師免許を持っていたら無職期間でも焦る必要はないし、医師という肩書きが一生続くことはとてつもなく将来への負担を軽減してくれるものだ。
上3つの理由は、大学入学前に既に理解していた。現在高校生、浪人生の人は医学部にかかわらず自分の将来を真摯に考えてリサーチすることをおすすめする。