暇な医者の戯言

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高級鉄板焼き屋に行ったら、金を稼ぐ意味を見失ってしまった話

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最近、とある高級鉄板焼きに行く機会があり、色々と思うところがあったのでそのときの話をしようと思う。

 

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※イメージ

 

値段は2人で3万程度、「そんな程度じゃ高級じゃない!」とマウンティングしてくる人は置いといて、一般的には高級な価格帯と言っていいだろう。

 

ただの大学生の身分であり、普段はあまり高級飲食店に行く機会がなかった自分は高級店に行けることを物凄く楽しみにしていた。



吉野家の牛丼並(380円)40食分を、一回の食事で使うなんてどんな人間がいるんだ?!
今回の食事のサブクエストがそれを見ることだった。

 

隠れ家的な場所にあったその鉄板焼き。食べログの評価もまずまずで期待が膨らむ。

 

入店すると先客が2人ほどいた。

生え際が怪しい変な髪型のリーマン風の男と、フィリピン人らしき若い女。

 

フィリピン人といっても、ラブリのような美人で超巨乳(推定Iカップ)であった。

普段は芋っぽい女子ばかりの空間(=医学部)にいるので、衝撃的だった。(正直言ってクラブでも見たことないようなレベルの美女)

 

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「高級店に来る男の連れてる女はすげぇ…!」

普段ファミレスややよい軒を利用してる自分からすると、全く出会わないような美女だったのでまず第一のカルチャーショックを受けた。
本当の美女はこういう所で飯を食っているのかと。

 

目の前の料理人の人はマックの店員よりはるか愛想がなかった。

内心嫌な予感がし始めるが、「なあに、職人は不器用なくらいがちょうどいい」と自分に言い聞かす。

 

さて料理が出てくる。

鉄板焼きのコースを頼んだので、20分に1回くらい料理が出てくる。

普段10分以内に食事を終える自分としては3時間弱かけて飯を食うという経験が全然なかったのでこれまたカルチャーショックだった。
金持ちって無駄な時間使ってるんかなと。それとも金持ちは金に余裕があるから食事にも時間をかけられるのだろうか?

 

さて、最初は野菜の鉄板焼きから。料理人がベラで上手に調理をするのを目の前で見る。○○産の野菜みたいなことがメニューに書いてある、これは期待できそうだ。

期待を込めて1口目を食べる。

「ムシャムシャ、ごっくん…あまり美味しくない…」

 

嫌な予感が頭をよぎる。

以前に某有名ピザ店に行った時に、ドミノピザのほうが美味しかった経験が脳裏をかすめた。

 

料理の味は値段と比例しない。するのは寿司と焼肉くらい。
これが新しく発見した事実だった。

 

あるいは自分がコンビニやファストフードの濃い味付けに慣れて馬鹿舌になっているのかもしれない。

しかし、とにかく美味しくなかった。

やよい軒で15000円出したら貴族のような食事が取れる。というか2000円でもう食いきれない。

どうやら高級料理店はただ人件費と土地代が上乗せされているだけらしい。

 

 

ここで日本の低価格飲食店の優秀さに改めて驚いた。
食べログの百名店にも何度も足を運んだことがあるが、大抵の店ではあまり感動しないどころか「コスパ悪いな…」と思うことが多い。
消費者側から見れば薄利多売の安い飲食店にいくのが一番効率がいいのだ。

 

その後もあわびやフォアグラ、トリュフなどの高級食材がどんどん出てくる。

その度に「美味そう! ムシャムシャ…うーん…微妙…」の繰り返し。

貧乏舌と言われればそれまでかもしれないが、値段に見合う価値は見つけられなかった。

唯一美味かったのは鉄板焼きのフィレステーキであるが、それも小さくあまり満足のいくものではなかった。
漫画、花より男子で幼少期の道明寺司が「俺はフィレステーキなんか食いたくない!お好み焼きを食ってみたいんだ!」と駄々をこねるシーンが思い出された。

 
そして鉄板焼きの定番、ガーリックライス。

米が鉄板の上できれいに調理され、香ばしい匂いが漂う。
これは期待できそうだ。さすがにガーリックライスがまずいってことはないだろう。

一抹の不安を胸に、一口食べる。

・・・うん、セブンのチャーハンのほうが美味しい。

 

どうやら金持ちの味は大して美味しくないらしい。

 

さて、自分たちのあとにも2人組が3組ほど来店してきた。

男と男、老人と若い女、男女のカップル。

男-男はとりあえずオーラがあり、勝ち組オーラビンビン。
老人は全部白髪のいい年なのに、精力みなぎっていてすごかった。

この店に来ている男女に共通しているのは男が連れている女が全て巨乳ということだ。
金持ちは巨乳女が好きなのか…これも新しい発見だった。

 

それと聞こえてくる会話のレベルが高かった。ゴルフのコースの話や、アメックスのラウンジの話など。金持ちは会話のレベルも高いらしい。

先程の老人は結構な高齢なのにスマホでインスタをしていた。金持ちは情報のアンテナが凄いのだろうか。

 
金持ちはオーラがあり、会話のレベルも高い。オシャレな人が多い。巨乳も(略

普段の飲食店ではなかなか見ることのない金持ちの特徴であった。 

食事を全て終えて確信する。

「あ、これチェーン店の方が絶対いいわ」と。

出てくるまでの時間は短いし、食べたらすぐに帰れるし、美味いし、何よりも安い。

飲食店で値段で明確に味が変わるのは、焼肉と寿司屋でそれ以外はどれも似たり寄ったりだという結論に達した。

それと共に前々から薄々感じていた高級料理店に対する失望が確信に変わった。

と同時に、人生で高収入を目指す意味を一つ見失ってしまった。

これまでの自分は勉強して高収入になればいい暮らしが手に入ると思っていたからだ。
しかし、実際に金持ちの世界に入ってみても金持ちがそんなに美味い飯を食っているわけではなかった。

 

 


↑このツイートの通り、もはや現代において金持ちと庶民の間にはそこまで人生の質に差がない。

これは別に飲食店だけの話ではない。家や車、その他の金で買えるもの全てについていえることだ。

飛行機においてファーストクラスでもエコノミークラスでも着く時間は同じだ。
飛行機の座席が広いくらいの差しかない。

ランボルギーニに乗っても、軽自動車に乗っても移動できることは変わらない。

テレビの格付けバトルを見てもわかるが、100万のワインと1万のワインの差なんて一般人にはわからない。ワインオタクが自己満足のために飲んでいるだけに過ぎない。

 
金を出せば少しだけ快適になるだけ。

教育に関しても参考書は驚くほど安いし、日本は国立のほうが私立より上という素晴らしいシステムを作った国だ。

 

年収10億の人も、年収300万の人も同じようにiPhoneを使う。

今は全員がiPhoneを持って、ネットにアクセスでき、テレビも見れ、旅行ができるような時代だからだ。
金を持ってもそれらに+αを付け加えることしかできない。+αは大したことない割に、それを足すにはものすごい労力がいる。

 

結局、金で買える幸せなんてこんなものかと思ってしまった。

 

ただ、店にいた女は全て美人で巨乳だった。
どうやら金持ちになると連れる女のランクが上がるらしい。

収穫はそれだけだった。