昨今、「好きなことで生きていく」、「会社員なんて奴隷だ」といったキャッチーなフレーズが目を引きます。
Youtuberやブロガー、堀江貴文氏といったインフルエンサーがやたらとこういうことを叫んでいますね。
果たして本当にそうなのでしょうか?
ブログやTwitterをやってみて思うことがあったので書きます。
結局才能の世界
サッカーが好きだからといって、サッカー選手になれるとは限りません。
才能、素質、周りの環境、運などなど。「プロ」として稼ぐには様々な要因が重なってないと無理です。
しかし、インフルエンサーは「やる気がないだけ」「やらないことに理由をつけている」といって、さも誰でも好きなことで生きていけるかのように言っています。
「底辺 Youtuber」でググればわかりますが、夢破れたYoutuberはごまんといます。
ツイート数が数千、数万あるのにいつまでもフォロワー数が1000人すら達しない人も山のようにいます。
ネットの世界も当然才能が必要で、誰しもが人気を獲得できるわけではありません。
才能というのは、いい意味でも悪い意味でも人に興味を持ってもらう能力、文章や画像、動画で人の心を動かす能力、自己プロデュース能力などです。
ネット黎明期なら競合他者が少ないのでやる気があればそれだけで突き抜けられましたが、競争相手が溢れた現在ではやる気だけでは困難です。
例えばヒカキン氏が今からYoutuberを始めたとしたら登録者10万人突破するのも難しいのではないでしょうか?
売れた人は結局、時代の潮流、才能、運などいろいろな要因があって売れたわけで、それをやる気があれば売れると言ってることに問題があります。
結局、成功者バイアスがかかってるだけなんですね。
信用がない
インフルエンサーが語らない闇の部分。
イケダハヤト氏は、自分の職業を聞かれたときになんと答えるのでしょう?
※イケダハヤト:東京やサラリーマンをこき下ろす炎上系ブロガー
彼のやっていることを一行で説明すると
「高知の山奥で都会のサラリーマンをディスって、炎上で日銭を稼いでいる。」
あなたは結婚相手の両親、同級生、銀行にこんなことを言えますか?
他のブロガー、Youtuberも同様です。
何も炎上系だから恥ずかしいというわけではなく、Youtubeやブログで食っているということがそもそも人に堂々と言える行為ではないということです。
Youtuberのシバターもこの動画で言っています。
Youtuberやブロガーといった職業は当然ですが社会的信用に欠けるし、これが想像以上に大変です。
「公務員です」「SONYに勤務しています」「医者です」
自分の所属を聞かれてこのように答えられることは、しょうもないことのように見えて社会では非常に重要なのです。
この動画ではYoutubeだけで年収が2億あるというYoutuberラファエルが、銀行でいくら融資を受けられるかということを検証しています。
なんと5000万も借りられないという結果に。
銀行に行っても、二ヶ月分の月収しか借りることができないのがフリーランスの信用なのです。
トップがすごいのはどこの業界も同じ。
会社員であれ公務員であれスポーツ選手であれ、トップになれば億を稼げます。
Youtuberも芸能人同様に稼ぎまくっているのは極一部でしかないのです。
企業に依存しているだけ
先日、こんなはてな匿名ダイアリーの記事が話題になりました。
会社をやめてもお金は一生必要なので働く必要があります。
フリーランスと自称して「自分は社会から解放されている!」「社畜w!」と声高に叫んでいる人たちは、馬鹿にしていた会社員の集合体の企業から広告費、アフィリエイトの金をもらって生きているだけです。
会社員が会社に寄生しているならば、フリーランスは広告主やGoogleに寄生しているのです。
はてな匿名ダイアリーにもありますが、個人で生み出すことのできる価値なんてたかが知れてます。
一人では車もiPhoneも絶対に作ることはできません。一人で作れるのは、画像、動画、文章くらいです。
その動画も集団が集まった映画には勝てないし、文章も新聞には勝てません。
好きなことでは生きていけない真の理由
Youtuberやブロガーなど、一見好きなことで生きていってるように見える人はいます。
しかし、この写真のように影では山のような努力をしているのです。
【成功した人たちが凄い理由💡】
— たっつん@ゆる図解イラスト (@tatsuun7) May 10, 2018
成功した人達の本当にすごいところって見えづらいよね、って話。#たっつん図解 pic.twitter.com/Gd8wvlLg37
Youtuberなら、撮影、動画編集、サムネイル作成、字幕挿入などなど。
有名Youtuberのヒカキンは7分の動画を作るのに、6時間を動画編集に費やします。
ブロガーならブログのデザイン、フォント、構成などを考えたり、まず第一に記事を山のように量産していかないと食っていけません。
どんな職業であれ、それを仕事にしようと決めた時点で真の意味で好きではいられなくなります。
どんなにゲームが好きな人でも、一日8時間を毎日強制的にやらなければならないとなったら好きとは言えなくなるでしょう。
基本的にYoutuberやブロガーは人気商売なので、顔を出さないと儲かりません。
が、顔を出して個人情報を晒して活動するということはとんでもなく危険なことです。
普段は自分と同じような学力、経済力を持った人としか接しないので気づきにくいですが、世の中にはとんでもなく頭のおかしい人が山のようにいます。
ネットの会ったことない、一生会うことのない人に恨みを持ち粘着してくる暇な人はゴロゴロいるのです。
金も信用も友達も職もなく、失うものがない人のことを「無敵の人」とひろゆき氏はいいましたが、そういった人に勝つ術はありません。
自分が無敵の人になる以外は。
有名ブロガーのHagex氏は、自分に恨みを持つ人に殺害されました。
顔を出すインフルエンサーは文字通り命の危険すらあるのです。
さらに、好きなことで生きていくためにはそれが大衆受けするようにしないといけません。
人の学力とか知能は正規分布するので、ビジネスで成功したりインフルエンサーになるためにはボリュームゾーン(偏差値45-55)に合わせるのが1番効率がいい。
— めろん (@gatigatitv) June 8, 2018
だからテレビはつまらないし、人気の漫画はつまらないし、インフルエンサーは同じようなことばっかり言ってる。 pic.twitter.com/CYIakblAbR
自分のやりたいことと世間での評価との乖離が、何かを発信する人を常に悩ませます。
世間に受けて金を稼ぐためにはボリュームゾーン(偏差値45-55)を対象にするしかないからです。
この作業は絶望的につまらない。
一生懸命考えてエッセンスを詰めた会心のツイートが全然伸びずに、2秒で考えた適当なツイートが伸びることが多々あります。後者が伸びても全く充実感はないです。
今は食えてるけど・・・
さて、現在は一応は食えている状況ではあります。
しかし、競合相手が出てきた場合はどうなるでしょうか?
というのも、人が時間やコンテンツに割ける総時間は物理的に一定だからです。
学校や会社から帰ってきた後の18:00~22:00くらいの時間を、テレビ、インターネット、カラオケ、Youtubeなど各エンタメが奪い合ってる状況です。
今はYoutubeやTwitterが流行っていますが、今後もそれが続くかは疑問です。
mixi、モバゲー、gree、ガンホーなど最盛期はすごかったが、現在では忘れられているようなIT企業は山のようにあります。
インターネットの世界は良くも悪くも移り変わりのスピードが尋常でなく速いのです。
Youtuberは後発のYoutuberと戦わないといけないしどんどんライバルが増えていきます。
ブルーオーシャン(競争が少ない市場)からレッドオーシャン(競争が激しい市場)に移りゆくのが世の常なので、現時点で稼げている業界が今後も稼いでいけるかは誰にも言えないのです。
終わりに
なんだかネガティブな記事になってしまいましたが、実際のところの話をしました。
レールを外れるのは簡単ですが、戻るのは想像以上に過酷です。
インフルエンサーの言うことを鵜呑みにするのは危険。よく考えてから行動することをおすすめします。