以前投稿した、英語の勉強方法に続き物理の勉強方法を伝えたいと思う。
↓英語の勉強法
勉強法総論に関しては以下の記事を参照
生物と物理どっちを選択するか
生物と物理、どちらを選択するかは理系受験生は必ず迷う選択であるが、大学受験に関しては間違いなく物理を選択した方がいい。
なぜなら物理は
・暗記事項が少ない
・高得点を取りやすい
という特徴があるからだ。
暗記事項が少ない
まず間違いなく生物に比べて暗記事項が少ない。公式と原理を覚えれば、それだけである程度戦えるのは大きい。
それ故に直前期も知識のメンテナンスが少なくて済む。
高得点を取りやすい
生物と比較して、物理は高得点を取りやすい。
問題の誘導に上手く乗れば設問を満点とることすら可能だ。
一方で生物は、独特の考察問題や記述問題が含まれるため減点されることが多い。
よく言われる話として
生物の成績のグラフはy=logx
物理の成績のグラフはy=e^xというものがある。
すなわち、生物はある程度の得点まだは簡単に行くが、それ以降の上乗せするのは困難。
物理は最初成績が伸びにくいが、一旦伸びるとどこまでも成績が伸びる。
1問1点が重要な受験においてはこの科目の選択が非常に大きな差となる。
また、物理と生物で得点調整がある大学もあるが必ずしも全ての大学が得点調整を行っているわけではないので物理の方がいい。
↓物理と生物の勉強量と得点率のグラフ。
勉強方法
参考書
物理の勉強ほどシンプルで安くすむ科目はないだろう。
参考書は以下の4冊がおすすめ。
物理のエッセンス
名問の森
この4冊と過去問を完璧にするだけでどの大学でも入れる。
漆原の物理や難問題の系統とその対策などもあるが、参考書によって公式に多少の違いがあり混乱するのでおすすめしない。
使うなら筆者を統一しよう。
勉強法の記事で書くことは効率悪いので、無駄と言ったが、物理は別。
図を描いてイメージできるかが全ての世界なのでどんどん手を動かそう。
物理ができるようになるステップは2つある。
・第一段階:公式を暗記し、分類できる。
・第二段階:問題毎に公式の使い分けて、組み合わせることができる。
第一段階
第一段階の公式の暗記、分類が物理ができるようになるかどうかを左右すると言っても過言ではない。
力学なら運動量保存則、力学的エネルギー保存則、反発係数の式、単振動の式などなど。
これらを混同せずに完全に暗記することが必須だ。
物理は暗記事項が少ないが、それでも力学、波動、電磁気、原子物理の公式全てを暗記しようとしたら結構な量がある。
英単語を文章中で覚えずに、単語だけで覚えても使い物にならないのと同様に、物理の公式も問題を通して覚えないと意味がない。
そのために最適なのが物理のエッセンス 力学・波動 、物理のエッセンス 熱・電磁気・原子だ。まず物理のエッセンスを完璧にしょう。
最初の3周は解答をそのまま読んで、進めるといい。4週目からは手を動かして、全ての問題を解くこと。最低7周はして欲しい。
この段階を適当にやると、絶対に物理はできるようにならない。完璧にしょう。
第二段階
第一段階で基礎は完璧になるが、それだけでは難関校には入れない。
物理は、第一段階で覚えた公式を組み合わせる練習が必要だからだ。
どの状況下でどの公式を利用するか?といった実戦的な訓練をしなければならない。
具体的には、力学において運動量保存則と力学的エネルギー保存則を組み合わせて問題を解いたりといった練習が必要になる。
これに最適な問題集は名問の森物理 力学・熱・波動1 、名問の森物理 波動2・電磁気・原子 だ。
1周目は自分である程度問題を解いてみよう。自分で解けなくなったら、すぐに解答を見ること。
運動量保存則や力学的エネルギー保存則の使い分けなどが全然出来ていないことに気づくはずだ。
名問の森を通して、公式の組み合わせ方や実戦的な練習を積むのが大事。
最終的に名問の森を7周以上することを目標にしておこう。
仕上げ
以上が終わったら、志望校の過去問を10年分は解こう。
大学独特の設定や、文字の設定に慣れる必要がある。
過去問をやることで、出やすい分野の出やすい範囲がわかる。
出やすい範囲は名問の森にチェックを付けて、確実に解けるようにしておこう。
これが終われば大学の合格点は取れるはずだ。
他の苦手科目をカバーするために、物理の得点を積み上げたい人は旧帝大(東大、京大、北大、東北大、名大、阪大、九大)の物理を解くといいだろう。
これらの大学は解きごたえがある、本質的な理解を要求される良問が多い。
↓の東進のサイトに会員登録すれば無料で問題演習できる
東進の大学入試問題過去問データベース | 大学受験の予備校・塾 東進
時間が有り余っている人は、難問題の系統とその解き方をやるのもいいかもしれない(理三志望者がやるような本)
細かいテクニック
更に仕上げとして単位(N,kg,mなど)の確認、ディメンションチェック(次元確認)を学ぼう。速度の単位はm/s、加速度はm/s^2といったように、センター物理はディメンションチェックで誤答を切れる場合も多い。
ディメンションを学ぶことで、見直しの時にすぐに誤答が分かる。
第二段階の時に余裕があれば、微積分を使った物理理解するのもいいかもしれない。
ただし、本質的な理解をしようとすると膨大な時間を要するので、要点だけでいい。
各分野の解説
力学
イメージが全てな分野。
月並みで申し訳ないが、ma=Fの運動方程式が全てな分野。理解すると強力な得点源になる。
微積分まで降りていく物理を使う所もあるがおすすめしない。特に駿台予備校に通ってる人は微積物理を押し付けられるが、初学者にとっては混乱するだけだ。
微積分を使った物理は偏差値70以降の遊びとして取っておこう。
単振動が多少わかりにくいが、ただの振り子だとイメージできれば簡単だ。
力学は物理の基礎なので、この範囲がどうしてもクリアできなかったら諦めて生物にしよう。
波動&電磁気
取っ付きにくいが、取っ付きにくいために意外と簡単な問題しか出ない分野。逆に力学は本質を問う難問が出ることが多い。
特に波動はイメージするのが難しいので、説明部分だけ他の参考書をつまみ食いしてもいいかもしれない。
電磁気は名問の森が非常に優秀なので、それを完璧にするだけで十分だ。
原子物理
捨てる人が多い範囲。コスパも悪いので、捨ててもいいかもしれない。ただし、物理のエッセンスの範囲だけは確実にやること。
慶應医学部志望者は確実に得点源にしよう。毎年出ている。
終わりに
いかがだっただろうか
物理はとっつきにくいと思われているが、慣れれば1番の得点源になり得る。
是非頑張って物理を得意科目にして欲しい。