IT企業はもはや虚業ではなく、世界を牛耳る業界になっている。
なぜならIT業界は情報を独占できるからだ。顧客のビックデータの支配によりIT企業は名実ともに国家をも超える存在になりつつある。
この先にどのIT企業が生き残るのか。
世界の企業の中で時価総額トップ4のGoogle、Amazon、Apple、Microsoftのどれが生き残るか考察してみた。
個人的な見解では生き残る確率が高い順に
Amazon>Google>Microsoft>Apple
であろう。
以下理由を解説していく
言わずと知れたIT企業。検索エンジンは約90%の圧倒的なシェアを誇る。
Gmail、Googleフォト、Googleマップ、Google日本語入力などなど。Googleのサービスは無料で利用できるものが多く、なおかつ非常に使いやすい。最近では自動運転車に手を出している。
実はYouTubeもGoogle社が保有している。
Googleが一気に躍進したのはAndroidの存在も大きい。iPhone以外のスマートフォンはほぼ全てGoogle社が作っているAndroidがOSとして採用されている。(iPhoneはiOS)
実は世界においては、iOSより、Androidのシェアの方が大きいのだ。
またChromeといったブラウザ開発にも力を入れており、ネットを利用する人はGoogleと切っても切れないのが現状だ。
さて、様々なサービスを無料で提供しているGoogle。Googleの収入源は実は広告業である。
圧倒的な情報、ビックデータによってネット上の広告業界を牛耳っている。
というのも各個人の検索履歴を把握しているので、Googleには利用者の趣味嗜好が筒抜けなのだ。
すなわち各個人に合わせた広告を適切に提示できる。
そのため、従来のテレビCMとは一線を画する広告業を展開し始めている。
しかし、Googleの弱みはあくまでソフトウェア企業に過ぎないということ。広告業なので、あくまで広告主に従属するスタイルなのだ。
この4つの企業の中でも売上は1番低い。
Amazon
言わずと知れた小売業界の雄。顧客第一主義を突き通しているのが有名だ。
年々存在感を増しており、中小の小売業をどんどん潰していってる。
Googleの会長が最大のライバルはAmazonと発言するように、破竹の勢いで拡大を続ける。CEOジェフ・ベゾスはビルゲイツを抜かし、世界一の大富豪になった。
Amazonの狙いはAtoZ。すなわち、本の通販から始まったAmazonは全てを飲み込もうとしている。
最近はタブレットやこの記事にあるように最近はビデオ業界にも参入している。
プライムミュージックは無料とは到底思えないような量と質だ。
企業体質としては、Appleに似ている。
Appleがスティーブ・ジョブズのワンマン企業なら、Amazonはジェフ・ベゾスのワンマン企業だ。Amazonが大事にするのはあくまで顧客であり、従業員も取引先も顧客に奉仕する部分に過ぎない。
圧倒的なシェアを武器に卸売に対して高圧的に値下げを要求する。黒船として日本の出版業界を破壊しようとしていることは有名だ。
GoogleやMicrosoftと違い、直接商品を売れるのがAmazonの強みだ。
Googleはあくまで広告業者として間接的に商品を購入させるに過ぎないが、Amazonは直接商品を顧客とやり取りする。
また、スマートフォンのOSを巡って激しく戦っているGoogleとAppleとは異なりライバルがいないことも強み。
現時点で敵なしのAmazonだが、メルカリといった消費者と消費者を直接つなぐサービスには負けうる可能性を持っている。
日本発のメルカリに期待したい所だ。
Apple
時価総額が世界一の大企業、Apple。(2018年3月現在)
Appleと他の3社には大きな違いがある。Appleはハードウェアとソフトウェアの両方を作っているということだ。
ハードウェアの代表はiPhone、iPad、Mac、iPodなど。ソフトウェアはiOS、iTunes、AppleMusicなど。
ハードウェアとソフトウェアの両方を作っていることにより、サードパーティ(第三者企業)に利益を渡さない仕組み作りを作れたのは非常に大きい。
低迷していたApple社が一躍復活したのは、iPodの存在だろう。そこまでソニーのウォークマンの独壇場だった音楽市場を一気に変えた。
Appleの特徴は、ユーザーを囲い込むことにある。それ故オープンソースではなくクローズソースを使う。(クローズドソース・・・開発元しか利用できない自由度の低いもの)
具体的にはGoogleのAndroidのアプリショップGooglePlayは審査が緩くどんなアプリでも登録できるが、AppleのアプリショップApp Storeは審査が厳しい。
アプリを作る上でもAndroidは自由度が高いが、iOSは自由度が低い。
また、最近まではサードパーティ性のキーボードを認めていなかった。
つまりApple社はAppleの商品、サービスを使わせることに必死なのだ。
ここが最大の強みである一方、最大の弱点とも言える。
なぜなら全てのサービスを1社で賄うことは難しいからだ。現に自分は地図は
GoogleMap、音楽は別アプリ、メールはGmailだし、Appleのソフトウェアを使うことはあまりない。
ただし、圧倒的なハードウェアの完成度を誇るので、Appleの盤石さは揺るがないだろう。
Microsoft
かつてのIT企業の王。長年、世界で一番の金持ちだっったビルゲイツが作った企業として有名である。
MicrosoftはパソコンのOS、windowsで世界を席巻した。さらにwordやexcelなどの圧倒的な完成度で法人、個人の需要をガッツリつかみ安泰だと思われていた。
しかし、Microsoftといえども大企業病から逃れることは出来なかった。
パソコンのOSで圧倒的なシェアを誇ったためにスマートフォンへの対応が遅れてしまった。
Windows Phoneで手をこまねいているうちにAppleとGoogleにスマホ市場を独占されてしまった。
Windowsの標準ブラウザ、Internet Exploreは使いづらさによってChrome
とはいえパソコンのOSとしての需要は未だに根強い。スマホはiPhoneだけどパソコンはWindowsという人は山のようにいるだろう。
しかし、デスクトップパソコンがノートパソコンになり、ノートパソコンがタブレットになったようにどんどんパソコンとスマートフォンの垣根はなくなってきている。
このままだとWindowsの遺産で食っていくしかなくなるだろう。
結論
Amazonはまだ利用している人の割合が圧倒的とは言えないが、いずれ小売を全て駆逐し、やがてヨドバシ.comや楽天すらも潰すだろう。
そしてAmazonはインフラと化す。
Googleも生き残る可能性が高い。
事業を多角化しているし、既存の広告業を全て飲み込む可能性があるからだ。
Microsoftはwindowsやexcel、wordといった法人向けのサービスで細々と生き残っていくのではないか。
しかし、タブレットの性能が向上しPCと同等になったら消滅する可能性が高い。
Appleは、最も潰れる可能性が高い。
閉鎖的なコミュニティは多様性がないので、あらぬ方向に行ってしまう場合もある。
囲い込みから出た人は二度と戻ることがない。iPhoneとiPadに頼ってる現状は非常にリスクが高いと言わざるを得ない。