最近のアメリカ政治で最も有名な出来事は、ドナルド・トランプがアメリカ合衆国大統領に就任したことだろう。
当初、泡沫候補と言われていたトランプは共和党の候補者争いに勝利すると、民主党のヒラリー・クリントンに勝利してそのまま大統領となった。
なぜかこんなことが起こったかハリウッド映画から学ぼう。
ポリティカル・コレクトネス
ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)という言葉がある。
直訳は政治的な正しさ。分かりやすくいうと、政治はあらゆる人種に配慮しなくてはならないということである。
要するに、黒人やアジア人、LGBTといったマイノリティを優遇するということである。(アメリカの場合は特に黒人を)
入学する人種に偏りが出ないためにアメリカの大学では入学する際の点数を人種別に変えている。
簡単に言うと黒人には下駄を履かせ、白人は最低点をあげて入りにくくしている。
ちなみにアジア人は優秀なのでマイノリティにも関わらず最低点が高い。
ハリウッド映画でもこの傾向が見られる。
まずはこの写真を見て欲しい。
一枚目が年に公開された荒野の七人。二枚目が年に公開された荒野の七人をリメイクしたマグニフィセントセブン。
荒野の七人・・・ガンマン7人がメキシコ人を助けるという映画
前作は7人全員が白人である一方、リメイク版では7人中1人がアジア人、もう1人が黒人になっている。
現代すら人種差別が色濃く残っているアメリカで、西部開拓時代に人種差別が今よりも過酷だったことは想像に難くない。
ポリティカル・コレクトネスは史実すらも塗り替えてしまう。
スターウォーズのポスターもわかりやすい。
1977年に公開されたスターウォーズエピソード4は白人だけしか描かれていないし、女性もレイアくらいしか出てこない。
一方で20年に公開されたスターウォーズは女性、黒人が大々的に描かれたポスターで、これでもかというほどマイノリティに配慮している。
昨今のアメリカはリベラルによりすぎてたのだ。黒人であるオバマ大統領にポリティカル・コレクトネス。今度は初の女性大統領(ヒラリー)ときた。
いくらなんでもマイノリティマイノリティうっせーんだよ!と思っていた白人が反旗を翻したのである。
マイノリティは文字通りマイノリティ。マジョリティの票には勝てなかったのである。
↓アメリカの奴隷に関するスティーブン・スピルバーグの映画。闇が深い。
格差社会
以前の記事で紹介した通り、資本主義は労働より資産運用した方が儲かる。
それの象徴が、ウルフ・オブ・ウォールストリート、インサイド・ジョブだ。
ウルフ・オブ・ウォールストリートは何でもありのウォール街を描いた作品。
インサイダー取引、買収、詐欺などなど。
インサイド・ジョブで描かれるように、リーマンショックは銀行、大学、保険会社、格付け会社が全て一体となってめちゃくちゃなことをしたために起きた。
ウォール街の一部の金持ちのせいで世界経済がめちゃくちゃになり、貧富の差が拡大。
しかし圧倒的な資金力によって政治家に献金しコントロールするため格差は是正されない。
アメリカ国民の怒りは徐々に溜まっていった。
※余談ではあるが、ウルフ・オブ・ウォールストリートは最も好きな映画のひとつなので是非みてほしい。
ヒラリー・クリントンが1回の講演で50万ドル(=5000万円)をウォール街から受け取っていたというニュースは記憶に新しい。
ウォール街を規制するといっていたオバマですら、多額の謝礼金をウォール街から受け取っていた。
このようなウォール街が政治をコントロールし、格差が広がっていく現状にアメリカ国民はうんざりしたのだ。
知っての通り、トランプは大金持ちだ。総資産は50億ドル(=5000億円)ともいわれ、献金をもらう必要がない。
今までの政治家が金に操られていたから、金を既に持っていたトランプがウォール街から操られないと考えられて熱狂的な支持を集めたのだ。
なおトランプ大統領は就任時にゴールドマンサックスのCEOを財務長官にしている・・・
まとめ
このように、ハリウッド映画からでもアメリカの政治を読み解くことができる。
自国の負の部分も映画として出してしまうアメリカには脱帽するばかりだ。