暇な医者の戯言

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元サッカーファンが、サッカー日本代表がオワコンになった理由を教える

2014年にはあれだけ盛り上がったワールドカップ。

今年はワールドカップイヤーだというのに、ほとんど盛り上がっていない。

元サッカーファンとして、その理由を解説していこう。

 

スター不足

昨今の大谷翔平フィーバー、羽生結弦フィーバーを見ればわかるように、日本人はわかりやすいスターが好きだ。

圧倒的なスターがいればニュースで見る機会が増えるし、そのスポーツに興味が湧く人も増えていく。

余談だがスポーツの人気はマスコミが取り上げるか否かで決まる。スポーツの面白さは関係ない。

 

2014年の日本代表は凄かった。

マンチェスターUの香川、ACミランの本田、インテルの長友。

一般人でも知ってるような有名チームに日本人が所属するという、日本サッカー史上最高期とも言える時代だった。

 

しかし現在は本田はメキシコリーグ、香川はドルトムント、長友はトルコリーグ。ほとんど活躍を聞かなくなった。

それもそのはず。本田、長友は31歳、香川は29歳。もうサッカー選手としてのピークを超えてしまったのである。

この後の世代にスターがいないことも大きい。

今期待できるのは、現在16才の元バルセロナユースの久保建英くらいか。

 

2014年の惨敗

先述の通り、2014年の日本代表は歴代最強との呼び声高いチームであった。

アウェーのフランス戦に勝ったり、オランダと2-2で引き分けたりなど、そうそうたる成績を収めていた。

しかし、本番では知っての通り惨敗。

2006年に惨敗した後日本代表の人気低下も著しかった。負けた後の次のワールドカップは盛り上がらないのだ。

ザッケローニの後任のアギーレもアジアカップベスト8という悲惨な結果を残した挙げ句に八百長疑惑で解任。後任のハリルホジッチは華がない上に選手選考も地味。

人気が出ないのもしょうがない。

 

Jリーグの失敗

日本代表の失敗はJリーグの失敗と切っても切れない関係にある。

開幕当初の年は超絶盛り上がりを見せたJリーグ。しかし、今は観客数も右肩下がりでオワコンへのルートを辿っている。

なぜこんなことになったのか。

 

チーム数過多

地域密着の大号令の元に、Jリーグは各地に作られた。全部で12球団しかないプロ野球とは対照的に、J1だけで18チーム。J3まで含めると54チームにのぼる。

大宮アルディージャと浦和レッズのように埼玉県に2つのJ1クラブがあった所もあるし、戦力が分散されてしまった。

ヨーロッパのクラブもたくさんチーム数があるが、あちらは100年以上の歴史を持っていたりするので話が全く異なるのだ。

チーム数過多のため、戦力と金が分散してしまった。必然的に試合内容も薄くなり海外サッカーファンには見ごたえがなくなってしまったのである。

余談であるが、日本のサッカースタジアムは陸上競技と併設されている場合が多い。

サッカー専用スタジアムではないため、観戦に適さないのである。これもサッカー観戦人気がいまいち出ない理由の大きな一つではないかと思う。

 ↓サッカー専用スタジアムからの眺め

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↓陸上競技場併設型スタジアムからの眺め。

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ビッグクラブ不足

チーム数が分散されたことにより、戦力と金も分散しビッグクラブできなくなってしまった。

レアルマドリードやバイエルン・ミュンヘンと行った日本の野球で言う巨人の役目を担うクラブがなくなったのである。

そのため、Jリーグのチームと聞いて思い浮かぶシンボル的なチームがなくなったのである。

これは非常にマイナス要因で、例えばセリエAならACミラン、リーガならバルセロナ、プレミアならマンチェスターUといったようにそのリーグのシンボルは新規顧客を取り込む上で重要だからだ。

 最近やっと、DAZNマネーを入れて優勝チームに多額の賞金を与えるシステムを作り、ビッグクラブを作ろうとしているか間に合うかどうか。

 

外資を入れなかった

プレミアリーグのマンチェスターシティや、フランスのパリ・サンジェルマンが中東のオイルマネーで圧倒的戦略を獲得した話は有名だ。

 サッカーは金が入ればチームが強くなり、面白くなる。

しかし、Jリーグは長年外資の参入を規制してきた。日本企業だけで全てを賄おうとした結果小粒のクラブ経営になったしまったのである。

 

 

規制

Jリーグには外資規制以外にも様々な規制が存在する。代表的なものは以下の2つ。

・外国人枠

・ベストメンバー規定

外国人枠とは、試合に出れる外国人の人数を制限しているものでJリーグの場合3人までとなっている。

ヨーロッパのリーグでも外国人枠はあるが、EU加盟国同士なら制限はないので実質的に各リーグの往来は自由になっている。

ベストメンバー規定とは、どの試合もベストメンバーで臨めというシステムで破ると罰則規定もある。

このため、ヨーロッパでは当たり前のターンオーバー(選手をローテーションさせて休ませる)ということができず、硬直化した選手起用しかできなくなっている。

 

以上のように、Jリーグの失敗、スター選手の不足、2014の惨敗が重なってしまい、ワールドカップイヤーの今年は全く盛り上がっていないのである。

 

 

いかがだっただろうか。

2006年のイタリア代表や、2010年の日本代表のようにワールドカップ前に全く期待されていなかったチームが本番で躍進することは往々にしてある。

日本代表にも本番で頑張ってもらいたいものだ。